ペースメーカー、人工弁など心臓の障害年金と認定基準

このページをご覧いただいているお客様には心臓疾患をお持ちの方も多くいらっしゃると思いますが、完全房室ブロック、心房細動、大動脈弁狭窄症、胸部大動脈瘤、肥大型心筋症、洞不全症候群、僧房弁閉鎖不全症、心室細動、洞不全症候群、心臓弁膜症など多くの心臓病で障害年金が支給されています。

もくじ

心臓病で障害年金が支給されるのはどういう場合か

障害年金の認定要領では、心臓の疾患は、弁疾患、心筋疾患、虚血性心疾患、難治性不整脈、大動脈疾患、先天性心疾患、重症心不全の7つに区分され、それぞれの区分ごとに明確な基準があります。したがって,この区分ごとの基準に該当すると障害年金が支給される可能性があります。
心臓にペースメーカーやICD、人工弁を装着したものや人工血管を挿入したものは、認定される可能性が高いです。

心疾患の障害認定基準

国民年金・厚生年金保険 障害認定基準(平成29年12月1日改正)より

第11節/心疾患による障害
心疾患による障害の程度は、次により認定する。

1 認定基準
心疾患による障害については、次のとおりである。

令別表障害の程度障害の状態
国年令
別表
1級身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
厚年令
別表第1
3級身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの
心疾患による障害の程度は、呼吸困難、心悸亢進、尿量減少、夜間多尿、チアノーゼ、浮腫等の臨床症状、X線、心電図等の検査成績、一般状態、治療及び病状の経過等により、総合的に認定するものとし、当該疾病の認定の時期以後少なくとも1年以上の療養を必要とするものであって、長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものを1級に、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものを2級に、また、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものを3級に該当するものと認定する。

2 認定要領
(1)この節にいう心疾患とは、心臓だけではなく、血管を含む循環器疾患を指すものである。(ただし、血圧については、本章17節「高血圧症による障害」。)で述べるので除く。)
心疾患による障害は、弁疾患、心筋疾患、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)、難治性不整脈、大動脈疾患、先天性心疾患に区分する。

(2)心疾患の障害等級の認定は、最終的には心臓機能が慢性的に障害された慢性心不全の状態を評価することである。
この状態は、虚血性心疾患や弁疾患、心筋疾患などのあらゆる心疾患の終末像である。
慢性心不全とは、心臓のポンプ機能の障害により、体の末梢組織への血液供給が不十分となった状態を意味し、一般的には左心室系の機能障害が主体をなすが、右心室系の障害も考慮に入れなければならない。
左心室系の障害により、動悸や息切れ、肺うっ血による呼吸困難、咳・痰、チアノーゼなどが、右心室系の障害により、全身倦怠感や浮腫、尿量減少、頚静脈怒張などの症状が出現する。

(3)心疾患の主要症状としては、胸痛、動悸、呼吸困難、失神等の自覚症状、浮腫、チアノーゼ等の他覚所見がある。
臨床所見には、自覚症状(心不全に基づく)と他覚所見があるが、後者は医師の診察により得られた客観的症状なので常に自覚症状と連動しているか否かに留意する必要がある(以下、各心疾患に同じ)。重症度は、心電図、心エコー図・カテーテル検査、動脈血ガス分析値も参考とする。

(4)検査成績としては、血液検査(BNP値)、心電図、心エコー図、胸部X線、X線CT、MRI等、核医学検査、循環動態検査、心カテーテル検査(心カテーテル法、心血管造影法、冠動脈造影法等)等がある。

(5)肺血栓塞栓症、肺動脈性肺高血圧症は、心疾患による障害として認定する。

(6)心血管疾患が重複している場合には、客観的所見に基づいた日常生活能力等の程度を十分考慮して総合的に認定する。

(7)心疾患の検査での異常検査所見を一部示すと、次のとおりである。
区分異常検査所見
A安静時の心電図において0.2mV以上のSTの低下もしくは0.5mV以上の深い陰性T波(aVR誘導を除く。)の所見のあるもの
B負荷心電図(6Mets未満相当)等で明らかな心筋虚血所見があるもの
C胸部X線上で心胸郭係数60%以上又は明らかな肺静脈性うっ血所見や間質性肺水腫のあるもの
D心エコー図で中等度以上の左室肥大と心拡大、弁膜症、収縮能の低下、拡張能の制限、先天異常のあるもの
E心電図で、重傷な頻脈性又は除脈性不整脈所見のあるもの
F左室駆出率(EF)40%以下のもの
GBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)が 200 pg/ml相当を超えるもの
H重症冠動脈狭窄病変で左主幹部に50%以上の狭窄、あるいは、3本の主要冠動脈に75%以上の狭窄を認めるもの
I心電図で陳旧性心筋梗塞所見があり、かつ、今日まで狭心症状を有するもの
(注1) 原則として、異常検査所見があるもの全てについて、それに該当する心電図等を提出する。
(注2)「F」についての補足
心不全の原因には、収縮機能不全と拡張機能不全とがある。
近年、心不全症例の約40%はEF値が保持されており、このような例での心不全は左室拡張不全機能障害によるものとされている。しかしながら、現時点において拡張機能不全を簡便に判断する検査法が確立されていない。左室拡張末期圧基準値(5-12mmHg)をかなり超える場合、パルスドプラ法による左室流入血流速度波形を用いる方法が一般的である。この血流速度波形は急速流入期血流速度波形(E波)と心房収縮期血流速度波形(A波)からなり、E/A比が1.5以上の場合は、重度の拡張機能障害といえる。
(注3)「G」についての補足
心不全の進行に伴い、神経体液性因子が血液中に増加することが確認され、心不全の程度を評価する上で有用であることが知られている。中でも、BNP値(心室で生合成され、心不全により分泌が亢進)は心不全の重症度を評価する上でよく使用されるNYHA分類の重症度と良好な相関性を持つことが知られている。この値が常に100pg/ml以上の場合は、NYHA心機能分類でⅡ度以上と考えられ、200pg/ml以上では心不全状態が進行していると判断される。
(注4)「H」についての補足
すでに冠動脈血行再建が完了している場合を除く。

(8)心疾患による障害の程度を一般状態区分表で示すと次のとおりである。
一般状態区分表
区分一般状態
無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの
軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など
歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
(参考)上記区分を身体活動能力にあてはめると概ね次のとおりとなる。
区分身体活動能力
6Mets以上
4Mets以上6Mets未満
3Mets以上4Mets未満
2Mets以上3Mets未満
2Mets未満
(注)Metsとは、代謝当量をいい、安静時の酸素摂取量(3.5㎖/㎏体重/分)を1Metsとして活動時の酸素摂取量が安静時の何倍かを示すものである。

(9)疾患別に各等級に相当すると認められるものを一部例示すると、次のとおりである。

① 弁疾患
障害の程度障害の状態
1級病状(障害)が重篤で安静時においても、心不全の症状(NYHA心機能分類クラスⅣ)を有し、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの
2級1 人工弁を装着術後、6か月以上経過しているが、なお病状をあらわす臨床所見が5つ以上、かつ、異常検査所見が1つ以上あり、かつ一般状態区分表のウ又はエに該当するもの
2 異常検査所見のA、B、C、D、E、Gのうち2つ以上の所見、かつ、病状をあらわす臨床所見が5つ以上あり、かつ一般状態区分表のウ又はエに該当するもの
3級1 人工弁を装着したもの
2 異常検査所見のA、B、C、D、E、Gのうち1つ以上の所見、かつ、病状をあらわす臨床所見が2つ以上あり、かつ一般状態区分表のイ又はウに該当するもの
(注1)複数の人工弁置換術を受けている者にあっても、原則3級相当とする。
(注2)抗凝固薬使用による出血傾向については、重度のものを除き認定の対象とはしない。


弁疾患は心臓の弁が円滑に開閉しない病気

弁疾患は僧房弁、大動脈弁、三尖弁、肺動脈弁の4つの弁が円滑に開閉しないことによる障害をいい、心臓弁膜症ともいわれます。

②心筋疾患

障害の程度障害の状態
1級病状(障害)が重篤で安静時においても、心不全の症状(NYHA心機能分類クラスⅣ)を有し、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの
2級1 異常検査所見のFに加えて、病状をあらわす臨床所見が5つ以上あり、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの
2 異常検査所見のA、B、C、D、E、Gのうち2つ以上の所見及び心不全の病状をあらわす臨床所見が5つ以上あり、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの
3級1 EF値が50%以下を示し、病状をあらわす臨床所見が2つ以上あり、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの
2 異常検査所見のA、B、C、D、E、Gのうち1つ以上の所見及び心不全の病状をあらわす臨床所見が1つ以上あり、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの
(注)肥大型心筋症は、心室の収縮は良好に保たれるが、心筋肥大による心室拡張機能障害や左室流出路狭窄に伴う左室流出路圧較差などが病態の基本となっている。
したがってEF値が障害認定にあたり、参考とならないことが多く、臨床所見や心電図所見、胸部X線検査、心臓エコー検査所見なども参考として総合的に障害等級を判断する。


心筋疾患とは?

心筋自体が変性し、心筋が極端に厚くなったり、薄くなったりする疾患です。
WHOでは、拡張型心筋症、肥大型心筋症、拘束型心筋症、不整脈原性右室心筋症、分類不能の心筋症の5つに分類しています。

拡張型心筋症(DCM)

心室の壁が薄く伸びて、心腔の拡張と心筋の収縮力の低下によりうっ血性心不全をきたします。


肥大型心筋症(HCM)

肥大型心筋症の50~75%が家族性の常染色体優性遺伝であると言われています。通常は、左室(ときに右室)の心筋が異常に肥大することによって、心臓機能の拡張期が短縮されてしまい、心室に十分に血液が流れ込まなくなる疾患です。
その結果、全身に流れる血液量が不足したり、心室から心房への血液の逆流が起き、動悸、失神、めまいなどが引き起こされます。

③虚血性心疾患

障害の程度障害の状態
1級病状(障害)が重篤で安静時においても、常時心不全あるいは狭心症状を有し、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの
2級異常検査所見が2つ以上、かつ、軽労作で心不全あるいは狭心症などの症状をあらわし、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの
3級異常検査所見が1つ以上、かつ、心不全あるいは狭心症などの症状が1つ以上あるもので、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの
(注) 冠動脈疾患とは、主要冠動脈に少なくとも1ヶ所の有意狭窄をもつ。あるいは、冠攣縮が証明されたものを言い、冠動脈造影が施行されていなくとも心電図、心エコー図、核医学検査等で明らかに冠動脈疾患と考えられるものも含む。

④難治性不整脈
障害の程度障害の状態
1級病状(障害)が重篤で安静時においても、常時心不全の症状(NYHA心機能分類クラスⅣ)を有し、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの
2級1 異常検査所見のEがあり、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの
2 異常検査所見のA、B、C、D、F、Gのうち2つ以上の所見及び病状をあらわす臨床所見が5つ以上あり、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの
3級1 ペースメーカー、ICDを装着したもの
2 異常検査所見のA、B、C、D、F、Gのうち1つ以上の所見及び病状をあらわす臨床所見が1つ以上あり、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの
(注1)難治性不整脈とは、放置すると心不全や突然死を引き起こす危険性の高い不整脈で適切な治療を受けているにも拘わらず、それが改善しないものをいう。

(注2)心房細動は、一般に加齢とともに漸増する不整脈であり、それのみでは認定の対象とならないが、心不全を合併したり、ペースメーカーの装着を要する場合には認定の対象となる。


⑤大動脈疾患

障害の程度障害の状態
3級1 胸部大動脈解離(Stanford分類A型・B型)や胸部大動脈瘤により、人工血管を挿入し、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの
2 胸部大動脈解離や胸部大動脈瘤に、難治性の高血圧を合併したもの
(注1)
Stanford分類A型:上行大動脈に解離がある。
Stanford分類B型:上行大動脈まで解離が及んでいないもの。

(注2) 大動脈瘤とは、大動脈の一部がのう状又は紡錘上に拡張した状態で、先天性大動脈疾患や動脈硬化(アテローム硬化)、膠原病などが原因となる。これのみでは認定の対象とはならないが、原疾患の活動性や手術による合併症が見られる場合には、総合的に判断する。

(注3) 胸部大動脈瘤には、胸腹部大動脈瘤も含まれる。

(注4) 難治性高血圧とは、塩分制限などの生活習慣の修正を行った上で、適切な薬剤3薬以上の降圧薬を適切な用量で継続投与しても、なお、収縮期血圧が140mmHg以上又は拡張期血圧が90mmHg以上のもの。

(注5)大動脈疾患では、特殊な例を除いて心不全を呈することはなく、また最近の医学の進歩はあるが、完全治癒を望める疾患ではない。従って、一般的には1・2級には該当しないが、本傷病に関連した合併症(周辺臓器への圧迫症状など)の程度や手術の後遺症によっては、さらに上位等級に認定する。

・大動脈瘤の定義:嚢状のものは大きさを問わず、紡錘状のものは、正常時(2.5~3㎝)の1.5倍以上のものをいう。(2倍以上は手術が必要。)

・人工血管にはステントグラフトも含まれる。


⑥先天性心疾患

障害の程度障害の状態
1級病状(障害)が重篤で安静時においても、常時心不全の症状(NYHA心機能分類クラスⅣ)を有し、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの
2級1 異常検査所見が2つ以上及び病状をあらわす臨床所見が5つ以上あり、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの
2 Eisenmenger化(手術可能な逆流状況が発生)を起こしているもので、かつ、一般状態区分表のウ又はエに該当するもの
3級1 異常検査所見のC、D、Eのうち1つ以上の所見及び病状をあらわす臨床所見が1つ以上あり、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの
2 肺体血流比1.5以上の左右短絡又は肺動脈収縮期圧50mmHg以上のもので、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの

⑦重症心不全
心臓移植や人工心臓等を装着した場合の障害等級は、次のとおりとする。ただし、術後は次の障害等級に認定するが、1~2年程度経過観察したうえで症状が安定しているときは、臨床症状、検査成績、一般状態区分表を勘案し、障害等級を再認定する。
・心臓移植 1級
・人工心臓 1級
・CRT(心臓再同期医療機器)、CRT-D(除細動器機能付き心臓再同期医療機器)2級

(10)心臓ペースメーカー、又はICD(植込み型除細動器)、又は人工弁を装着した場合の障害の程度を認定すべき日は、それらを装着した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く。)とする。

(11)各疾患によって、用いられる検査が異なっており、また、特殊検査も多いため、診断書上に適切に症状をあらわしていると思われる検査成績が記載されているときは、その検査成績も参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して、総合的に認定する。


心臓病による障害年金の申請の難しさと障害年金の受給への近道

心臓の場合は、初診が古く証明が取れずに手間取る場合が少なくありません。

その一方で初診からすぐにペースメーカーの埋込術を受けた場合などすぐに障害認定日が来る方もいらっしゃいます。この場合は、診断書の入手にはほとんど問題ない場合が多いでしょう。

いずれにしても、障害年金はとても大事な手続きですので、申請には万全を期したいところです。
障害年金に精通した社会保険労務士を活用することも1つの方法です。

私ども障害年金研究室も心臓病による申請は十分に経験しておりますので、お役に立てることもあると思います。
よろしければ、無料メール相談からご相談ください。

以下、障害年金研究室(藤井法務事務所)で申請した心疾患による障害年金の成功事例をご紹介します。

心臓病の障害年金申請成功事例

障害厚生年金3級 完全房室ブロック、心房細動 ペースメーカー 遡及請求


  • 疾患名:完全房室ブロック、心房細動
  • 性別・年齢:男性53歳
  • 住所地:北海道
  • 障害の状態:ペースメーカー装着
  • 決定等級:障害厚生年金3級

完全房室ブロック、心房細動の発症から障害年金申請までの経緯
請求人様は、脂質異常で通院していたクリニックで、心房細動と高度房室ブロックが見つかり、医師に経過をみていただいていた。

その後、完全房室ブロックへと進行し、手術が必要となり他院へ紹介により転院。

転院した病院で体内式ペースメーカー植込術が施行され、術後にもともと通院していたクリニックに戻り、治療を受けている。

状態が安定した後に障害年金の請求をお考えになり、当事務所にご相談をいただき手続を代行することとなった。


申請手続きの感想・学んだこと
請求人様は、ペースメーカー植込術を他院で受けた以外、初診から現症まで一貫して同じクリニックで受診していました。

したがって、医証の取得は、非常にスムーズに進み、障害年金の申請手続きが完了しました。

障害年金の認定は、ペースメーカーを装着した日を障害認定日として約1年ほどさかのぼって認められました。






障害厚生年金3級 大動脈弁狭窄症、胸部大動脈瘤、弁置換、遡及決定


  • 疾患名:大動脈弁狭窄症、胸部大動脈瘤
  • 性別・年齢:男性49歳
  • 住所地:北海道
  • 障害の状態:人工弁置換
  • 決定等級:障害厚生年金3級

大動脈弁狭窄症、胸部大動脈瘤の発症から障害年金申請までの経緯
横になると息苦しい状態が続き、しだいに起きている間も息苦しさが頻発してきたため病院を受診した。

そこで、心陰影拡大、胸水貯留、肺うっ血等が認められたため、心臓専門病院を紹介され、転院した。

2か月後に手術をすることとなり、大動脈弁置換、大動脈瘤切除、人工血管置換の施術を受けた。

その後、状態が安定した後に障害年金の請求を検討され、当事務所にご相談をいただき代行することとなった。


申請手続きの感想・学んだこと
請求人様は、初診から転院されているため、受診状況等証明書から準備するパターンでしたが、発症から障害年金請求までの期間が短く、医証については特に問題もなく収集できました。

人工弁置換日を障害認定日として、障害認定日請求となり1年程度遡及して年金が支払われることとなりました。





障害厚生年金3級 特発性肥大型心筋症

 
  • 疾患名:特発性肥大型心筋症
  • 性別・年齢:男性 35歳
  • 住所地:北海道
  • 障害の状態:息切れ、胸苦、動悸、労働制限
  • 決定等級:障害厚生年金3級
特発性肥大型心筋症の発症から障害年金申請までの経緯
24歳の頃、息切れ、胸苦、動悸を自覚して病院を受診した。

そこで特発性肥大型心筋症と診断され、治療を開始した。

以後、走ること、長距離歩行、重労働を医師より禁止され、日常生活に注意しながら生活している。

就労については、会社勤務し、一般事務を長期間継続している。

発症から11年を経過して、障害年金を請求した。


申請手続きの感想・学んだこと
肥大型心筋症は、障害認定基準に定める心筋疾患の障害状態でみると該当しないこともあり、特にEF値が参考にならないことが多く、臨床所見やX線、心電図、エコーなどの所見も参考として総合的に障害等級を決定するとされています。

この事例も、請求人様のEF値が76%であって、まさに参考値の50%以下とならないため、臨床所見等により総合的に決定されたものと考えます。

この事例を取り扱わせていただいたおかげで、拡張型心筋症と肥大型心筋症では、認定基準のとらえ方を注意してみなければならないことを学びました。


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