双極性感情障害の障害年金事例と認定基準

双極性感情障害(躁うつ病)での障害年金の申請については、藤井法務事務所 障害年金研究室では、大変よくご相談をいただいています。

双極性感情障害による申請は、比較的病歴の長い方が多いため、申請書類の準備が大変なケースも多いといえます。

 

以下、藤井法務事務所 で申請した事例をご紹介します。

 

双極性感情障害 障害年金申請事例1

 

双極性感情障害、障害基礎年金2級、事後重症、初診の病院はすでに廃院

 
手続を代行した結果・概要
  • 疾患名:双極性感情障害
  • 性別・年齢:女性41歳
  • 住所地:北海道
  • 障害の状態:刺激性、興奮、憂うつ気分、自殺企図、希死念慮、行為心拍、多弁・多動、感情昂揚・刺激性、思考奔逸、易怒性・被刺激性亢進
  • 決定等級障害厚生年金2級
 
発症から障害年金申請までの経緯
幼少期に両親のネグレクト、中学生の頃にいじめを受けていた。

16歳の頃、自傷行為を行うようになり、さらに強迫神経症、摂食障害が現れ精神科を受診。双極性感情障害と診断された。

薬物治療や入院治療など行ったが、改善が見られず、2年後に転院。

転院した病院に1年間通院するも、主治医の開業に伴いさらに転院となる。

しかし、摂食障害の過食と拒食を繰り返し、症状は改善せず、三たび転院となる。

現在も摂食障害など多くの症状に苦しみ、サポートの方の支援を受けている。

 
申請手続きの感想・学んだこと
この事例は、初診から25年経過していて、初診の病院は廃院となっていました。

しかし、この廃院した病院の経営母体が残っていましたので連絡して確認したところ、幸いにも請求人様のカルテが保管されていました。初診日の証明を入手することができました。

診断書は、現在、かかっている主治医に作成していただき、病歴就労状況申立書を幼少期からのことを請求人様から聞き取り記載して提出しました。

障害基礎年金2級と認定されました。

 

双極性感情障害 障害年金申請事例4

 

双極性感情障害、障害共済年金2級、事後重症

 
手続を代行した結果・概要
  • 疾患名:双極性感情障害
  • 性別・年齢:男性39歳
  • 住所地:北海道
  • 障害の状態:抑うつ状態(刺激性、興奮 憂うつ気分 希死念慮)、そう状態(行為心拍 多弁・多動 気分(感情)の異常な高揚・刺激性 観念奔逸 易怒性・被刺激性亢進
  • 決定等級障害共済年金2級
 
発症から障害年金申請までの経緯
3年前、職場の人事異動により業務上の負担が大きくなり、退勤時間が遅くなることが多くなったことから睡眠障害や動悸が出現するようになった。また職場に入ることが恐ろしく思えるようになり、次第に飲酒に頼るようになった。自己嫌悪もあり自殺を考えるようになったことから精神科を受診した。

うつ病と診断され、すぐに入院となり1カ月程度の入院と6か月間の休職となった。服薬と退院後は自宅療養で徐々に睡眠も安定し生活リズムも整っていった。

休職が明け、定期的に通院しながらの職場復帰となり負担の軽い業務に転換となった。翌年には正式に負担の軽い職務に異動となったが、新しい上司との折り合いが悪く、上司の言動に人間不信や不安感が強まり、体調が大幅に悪化し、職場を退職した。

現在は、双極性感情障害と診断され、日常生活は家族の支援を受け治療に専念している。

障害年金は、請求人様ご本人とご家族様が弊事務所に来所され手続を全面的に代行することとなりました。

 
申請手続きの感想・学んだこと
この事例は、初診から3年経過しての請求であり医証は問題なく取得できました。

しかし、複数の医療機関に通院歴があり、各時期の状況についてご家族様から十分聞き取りを行い病歴就労状況等申立書を作成しました。

障害共済年金2級と認定されました。

 

双極性感情障害(躁うつ病)の申請事例

藤井法務事務所では、うつ病・双極性障害・統合失調症などの病気について、これまで障害年金を申請した事例が多くあります。精神(こころ)の病気で申請をお考えの皆様に参考になればと考え、ご紹介したいと思います。以下、リンクを掲載しますので、ご覧ください。

 
双極性障害(躁うつ病)
双極性感情障害 障害年金申請事例2-事後重症、3級、在職中の申請

双極性感情障害 障害年金申請事例3-事後重症、2級

双極性感情障害 障害年金申請事例5‐事後重症、障害厚生年金3級、休職中

双極性感情障害 障害年金申請事例6‐障害共済年金2級に認定、事後重症、23年前の初診

躁うつ病 障害年金申請事例1-障害認定日決定、5年遡及、2級

躁うつ病 障害年金申請事例2-事後重症、2級

躁うつ病 障害年金申請事例3-事後重症、2級

 

 

双極性感情障害の認定基準は?

「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 平成28年6月1日改正」を参考に認定基準のポイントを確認します。

 
 令別表障害の程度障害の状態
国年令別表1級精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
2級精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
厚年令別表3級精神に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
精神に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの
障害手当金精神に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
精神の障害の程度は、その原因、諸症状、治療及びその病状の経過、具体的な日常生活状況等により、総合的に認定するものとし、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものを1級に、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものを2級に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの、及び労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するものを3級に、また、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すものを障害手当金に該当するものと認定するとされています。
精神の障害は、多種であり、かつ、その症状は同一原因であっても多様です。したがって、認定に当たっては具体的な日常生活状況等の生活上の困難を判断するとともに、その原因及び経過を考慮することとされています。
精神の障害は、「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」、「気分(感情)障害」、「症状性を含む器質性精神障害」、「てんかん」、「知的障害」、「発達障害」に区分されており、それぞれ、認定要領が定められています。

 

気分(感情)障害

各等級に相当すると認められるものの一部例示


障害の程度障害の状態
1級気分(感情)障害によるものにあっては、高度の気分、意欲、行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、常時の援助が必要なもの
2級気分(感情)障害によるものにあっては、気分、意欲、行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級気分(感情)障害によるものにあっては、気分、意欲、行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくはないが、これが持続したり、又は繰り返し、労働が著しい制限を受けるもの
 

障害認定にあたり考慮する事項

気分(感情)障害の認定に当たっては、次の点を考慮のうえ、慎重に行われます。

気分(感情)障害は、本来、症状の著明な時期と症状の消失する時期を繰り返すものである。したがって、現症のみによって認定することは不十分であり症状の経過及びそれによる日常生活活動等の状態を十分考慮するとされています。

また、双極性感情障害等とその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定されます。

 

日常生活能力の判定

日常生活能力の判定に当たっては、身体的機能及び精神的機能を考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するよう努めることととされています。また、現に仕事に従事しているに者については、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断されます。

 

人格障害について

人格障害は、原則として認定の対象となりません。

 

神経症について

神経症にあっては、その症状が長時間持続し、一見重症なものであっても、原則として、認定の対象となりません。ただし、その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、統合失調症又は気分(感情)障害に準じて取り扱われます。なお、認定に当たっては、精神病の病態がICD-10による病態区分のどの区分に属す病態であるかを考慮し判断することとされています。

 

等級判定のガイドラインについて

双極性感情障害に係るガイドライン

精神障害の障害基礎年金の認定に地域によって格差が生じていたことから、精神障害に係る障害等級判定ガイドラインが作成され、平成28年9月1日以降の等級判定の審査に適用されています。

 

障害等級の目安

54321
3.5以上1級1級又は2級
3.0以上3.5未満1級又は2級2級2級
2.5以上3.0未満2級2級又は3級
2.0以上2.5未満2級2級又は3級3級又は3級非該当
1.5以上2.0未満3級又は3級非該当
1.5未満3級非該当3級非該当
*横軸

「程度」→診断書の記載項目である「日常生活能力の程度」の5段階評価を指します。

*縦軸

「判定平均」→診断書の記載項目である「日常生活能力の判定」の4段階評価について程度の軽い方から1~4の数値に置き換え、その平均を算出したものです。

*この障害の目安は、障害の程度の認定における参考とされますが、目安だけでは捉えきれない障害ごとの特性に応じて、考慮すべき内容を診断書等から審査して、最終的な等級判定が行われることととされています。

 

 

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