脳脊髄液減少症による障害年金と認定基準

脳脊髄液減少症は、藤井法務事務所 障害年金研究室でよくご相談や手続きのご依頼を承る事例です。

脳脊髄液減少症は、交通事故などが原因で発症することが多いとのことですが、治療に関する専門医は少ないようです。

脳脊髄液減少症に対する障害年金の請求方法は、現在は一つの方向付けが出されていますが、私ども藤井法務事務所障害年金研究室では、この方向付けが出される前からこの病気についての障害年金請求に取り組んでいます。


以下、藤井法務事務所 障害年金研究室で申請した事例をご紹介します。

脳関髄液減少症 障害年金申請事例1


脳脊髄液減少症―事後重症、3級 

手続を代行した結果・概要

  • 疾患名:脳脊髄液減少症

  • 性別・年齢:女性47歳

  • 住所地:北海道 札幌市

  • 障害の状態:頭痛、頸部痛、めまい、倦怠感

  • 決定等級:障害厚生年金3級


発症から障害年金申請までの経緯

9年前の交通事故で受傷後に頭痛や頸部痛などの症状が出現し、以後持続している。

検査等により脳脊髄液減少症と診断される。

ブラッドパッチ等を受け、症状は多少改善したものの、頭痛やめまい、腰背部痛当の障害が残り、臥床して過ごすことが多い。

障害年金については、ご本人様が障害年金の請求をお考えになり、当事務所にご相談いただき手続きを代行することとりました。


請求手続き・学んだこと


交通事故が起点となるもので複数の医療機関にかかっていましたが、受信状況等証明書や診断書などの医証はスムーズに入手でき手続きを完了しました。

事後重症、障害厚生年金3級と認定されました。


その他の請求事例


脳脊髄液減少症 障害年金申請事例2-事後重症、2級
 

低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症) 障害年金申請事例3ー事後重症、2級

 

脳脊髄液減少症の認定基準は?


脳脊髄液減少症による障害年金の請求では、「肢体の診断書」を使用することになります。

したがって、認定基準としては「肢体の障害」を押さえておきたいと思います。
「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 平成29年9月1日改正」を参考に認定基準のポイントを確認します。

肢体の障害
令別表障害の程度障害の状態
国年令別表1級身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
厚年令別表第13級身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
 

肢体の障害が上肢及び下肢などの広範囲にわたる障害の認定

肢体の障害が上肢及び下肢などの広範囲にわたる障害(脳血管障害、脊髄損傷等の脊髄の器質障害、進行性筋ジストロフィー等)の場合には、「上肢の障害」、「下肢の障害」及び「体幹・脊柱の機能の障害」に示したそれぞれの認定基準と認定要領によらず、「肢体の機能の障害」として認定するとされています。

 

肢体の障害の認定方法

肢体の機能の障害の程度は、関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定するとされています。なお、他動可動域による評価が適切ではないもの(例えば、末梢神経損傷を原因として関節を可動させる筋が弛緩性の麻痺となっているもの)については、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定するとされています。

 

各等級に相当すると認められるものの一部例示


障害の程度障害の状態
1級1 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの
2 四肢の機能に相当程度の障害を残すもの
2級1 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの
2 四肢に機能障害を残すもの
3級一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの
(注)肢体の機能の障害が両上肢、一上肢、両下肢、一下肢、体幹及び脊柱の範囲内に限られている場合には、それぞれの認定基準と認定要領によって認定することとされています。

なお、肢体の機能の障害が上肢及び下肢の広範囲にわたる場合であって、上肢と下肢の障害の状態が相違する場合には、障害の重い肢で障害の程度を判断し、認定することとされています。

 

日常生活における動作と身体機能との関連

日常生活における動作と身体機能との関連は、厳密に区別することができませんが、おおむね次のとおりです。

ア 手指の機能

(ア)つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)

(イ)握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)

(ウ)タオルを絞る(水をきれる程度)

(エ)ひもを結ぶ

イ 上肢の機能

(ア)さじで食事をする

(イ)顔を洗う(顔に手のひらをつける)

(ウ)用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)

(エ)用便の処置をする(尻のところに手をやる)

(オ)上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)

(カ)上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)

ウ 下肢の機能

(ア)片足で立つ

(イ)歩く(屋内)

(ウ)歩く(屋外)

(エ)立ち上がる

(オ)階段を上る

(カ)階段を下りる

なお、手指の機能と上肢の機能とは、切り離して評価することなく、手指の機能は、上肢の機能の一部として取り扱われます。

 

身体機能の障害の程度と日常生活における動作の障害との関係

身体機能の障害の程度と日常生活における動作の障害との関係を参考として示すと、次のとおりです。

ア 「用を全く廃したもの」とは、日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」又はこれに近い状態をいいます。

イ 「機能に相当程度の障害を残すもの」とは、日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又は日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」をいいます。

ウ 「機能障害を残すもの」とは、日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」をいいます。

 


請求における注意点


「請求される方の障害状態が反映できるか。」

脳脊髄液減少症の症状は、頭痛やめまいなどの典型的な症状のほかにも多くの症状が現れている場合が多いです。
したがって、障害年金請求される方の障害状態を的確に反映した請求になるかどうかが問題です。
お医者様に作成していただく診断書もさることながら、病歴就労状況等申立書も重要です。


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