筋ジストロフィー・SLEなど肢体障害の障害年金と認定基準


筋ジストロフィーやパーキンソン病など障害が肢体に出現している方々の障害年金については、藤井法務事務所 障害年金研究室ではよくお受けする事例です。
病気によっては症状も複雑ですし、病歴が長くなってから障害年金を申請することが多く、専門家に任せたほうがいい案件も多くみられます。

以下、藤井法務事務所 障害年金研究室で申請した事例をご紹介します。

肢体障害 障害年金申請事例

筋ジストロフィー 障害年金申請成功事例

手続を代行した結果・概要
疾患名:筋強直性ジストロフィー

性別・年齢:男性39歳

住所地:北海道

障害の状態:手指筋力低下、ミオトニア現象による著しい巧緻運動障害

決定等級:認定日‐障害厚生年金3級、請求日‐2級

 
発症から障害年金申請までの経緯
12年前(27歳)の頃、指の第一関節が動かないなどの症状が出現し、その2年後に「両手が固まる」ようになったため整形外科を受診した。整形外科では、両手の症状であり別な原因があるかもしれないと精査をすすめられ大学病院を紹介された。

精査の結果、筋強直性ジストロフィーと診断された。

その後経過観察の為、定期的に受診したが、6年前より手の症状がすすみ、又、足も固まったような症状があらわれはじめた。

筋強直性ジストロフィーの状態は、少しずつ進行して、手、足、首の筋力が著しく低下し、家族の介助が必要となった。

 
請求手続き・学んだこと
障害年金の申請については、ご本人様から、当事務所にご依頼いただきました。

初診の整形外科ではカルテがなく受診状況等証明書がとれませんでした。しかし、現在、かかっている病院で紹介状があり、初診日は特定されました。診断書は、障害認定日、請求日現症の2通を作成していただき、病歴就労状況等申立書も詳細に記載して請求が完了しました。

認定日で障害厚生年金3級と決定され、請求日で障害厚生年金2級と変更されました。

結果的にこの事例は遡及請求となり、350万円が初回で支払われ、以後年金の定期支給を受けています。

 

その他の肢体障害による障害年金申請事例

筋ジストロフィー 障害年金申請事例2-事後重症、2級

筋ジストロフィー 障害年金申請事例3-事後重症、3級

 

肢体障害の認定基準は?

「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 平成29年9月1日改正」を参考に認定基準のポイントを確認します。

肢体の障害
令別表障害の程度障害の状態
国年令別表1級身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
厚年令別表第13級身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
 

肢体の障害が上肢及び下肢などの広範囲にわたる障害の認定

肢体の障害が上肢及び下肢などの広範囲にわたる障害(脳血管障害、脊髄損傷等の脊髄の器質障害、進行性筋ジストロフィー等)の場合には、「上肢の障害」、「下肢の障害」及び「体幹・脊柱の機能の障害」に示したそれぞれの認定基準と認定要領によらず、「肢体の機能の障害」として認定するとされています。

 

肢体の障害の認定方法

肢体の機能の障害の程度は、関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定するとされています。なお、他動可動域による評価が適切ではないもの(例えば、末梢神経損傷を原因として関節を可動させる筋が弛緩性の麻痺となっているもの)については、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定するとされています。

 

各等級に相当すると認められるものの一部例示


障害の程度障害の状態
1級1 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの
2 四肢の機能に相当程度の障害を残すもの
2級1 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの
2 四肢に機能障害を残すもの
3級一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの
(注)肢体の機能の障害が両上肢、一上肢、両下肢、一下肢、体幹及び脊柱の範囲内に限られている場合には、それぞれの認定基準と認定要領によって認定することとされています。

なお、肢体の機能の障害が上肢及び下肢の広範囲にわたる場合であって、上肢と下肢の障害の状態が相違する場合には、障害の重い肢で障害の程度を判断し、認定することとされています。

 

日常生活における動作と身体機能との関連

日常生活における動作と身体機能との関連は、厳密に区別することができませんが、おおむね次のとおりです。

ア 手指の機能

(ア)つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)

(イ)握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)

(ウ)タオルを絞る(水をきれる程度)

(エ)ひもを結ぶ

イ 上肢の機能

(ア)さじで食事をする

(イ)顔を洗う(顔に手のひらをつける)

(ウ)用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)

(エ)用便の処置をする(尻のところに手をやる)

(オ)上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)

(カ)上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)

ウ 下肢の機能

(ア)片足で立つ

(イ)歩く(屋内)

(ウ)歩く(屋外)

(エ)立ち上がる

(オ)階段を上る

(カ)階段を下りる

なお、手指の機能と上肢の機能とは、切り離して評価することなく、手指の機能は、上肢の機能の一部として取り扱われます。

 

身体機能の障害の程度と日常生活における動作の障害との関係

身体機能の障害の程度と日常生活における動作の障害との関係を参考として示すと、次のとおりです。

ア 「用を全く廃したもの」とは、日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」又はこれに近い状態をいいます。

イ 「機能に相当程度の障害を残すもの」とは、日常生活における動作の多くが「一人で全くできない場合」又は日常生活における動作のほとんどが「一人でできるが非常に不自由な場合」をいいます。

ウ 「機能障害を残すもの」とは、日常生活における動作の一部が「一人で全くできない場合」又はほとんどが「一人でできてもやや不自由な場合」をいいます。

 

脳血管障害の障害年金申請のポイント

初診日から6カ月を経過すると申請できる場合がある。

原則として、障害認定日は、初診から1年6カ月経過後ですが、脳血管障害により機能障害を残しているときは、初診日から6カ月を経過した日以後に、医学的観点からそれ以上の機能回復がほとんど望めないと認められるときを障害認定日として取り扱うとされています。

 

障害が複数残る場合があります。

後遺症として残る障害が、肢体の麻痺のケースや言語障害、認知障害などいろいろです。また複数の障害が残る場合もあります。
この場合、どの診断書を使うのが適切なのか、どういう請求にするべきかを検討してから障害年金の申請を進めた方がよい結果になると思います。

 

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