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肩やひじ、手、指など上肢の障害年金事例と認定基準

2021 5/13
障害年金の受給事例と認定基準
2016年12月8日2021年5月13日

上肢の障害とは、肩、肘、手、指の機能障害、欠損障害、変形障害をいいます。

上肢の障害が発生する原因は、先天的なもの、怪我、病気などいろいろです。

藤井法務事務所では、交通事故などによる負傷で障害を負ってしまった方のご相談を多く受けております。

上肢の障害の認定基準は?

「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 平成29年9月1日改正」を参考に認定基準のポイントを確認します。

令別表障害の程度障害の状態
国年令別表 1級両上肢の機能に著しい障害を有するもの(以下「両上肢の用を全く廃したもの」という。)
両上肢のすべての指を欠くもの(以下「両上肢のすべての指を基部から欠き、有効長が0のもの」という。)
両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの(以下「両上肢のすべての指の用を全く廃したもの」という。)
 2級両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠くもの(以下「両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を基部から欠き、有効長が0のもの」という。)
両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有するもの(以下「両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の用を全く廃したもの」 という。)
一上肢の機能に著しい障害を有するもの(以下「一上肢の用を全く廃したもの」という。)
一上肢のすべての指を欠くもの(以下「一上肢のすべての指を基部から欠き、有効長が0のもの」という。)
一上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの(以下「一上肢のすべての指の用を全く廃したもの」という。)
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
厚年令

別表第13級一上肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの
長管状骨に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの
一上肢のおや指及びひとさし指を失ったもの又はおや指若しくはひとさし指を併せ一上肢の3指以上を失ったもの(以下「一上肢のおや指及びひとさし指を近位指節間関節(おや指にあっては指節間関節)以上で欠くもの又はおや指若しくはひとさし指を併せ、一上肢の3指を近位指節間関節(おや指にあっては指節間関節)以上で欠くもの」という。)
おや指及びひとさし指を併せ一上肢の4指の用を廃したもの
身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
別表第2障害手当金一上肢の3大関節のうち、1関節に著しい機能障害を残すもの
長管状骨に基しい転位変形を残すもの
一上肢の2指以上を失ったもの(以下「一上肢の2指以上を近位指節間関節 (おや指にあっては指節間関節)以上で欠くもの」という。)
一上肢のひとさし指を失ったもの(以下「一上肢のひとさし指を近位指節間関節以上で欠くもの」という。)
一上肢の3指以上の用を廃したもの
ひとさし指を併せ一上肢の2指の用を廃したもの
一上肢のおや指の用を廃したもの
身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの

上肢の障害は、機能障害、欠損障害及び変形障害に区分されています。

機能障害

「両上肢の機能に著しい障害を有するもの」

「両上肢の機能に著しい障害を有するもの」すなわち「両上肢の用を全く廃したもの」 とは、両上肢の3大関節中それぞれ2関節以上の関節が全く用を廃したもの、すなわち、次のいずれかに該当する程度のものをいいます。

(ア)不良肢位で強直しているもの

(イ)関節の他動可動域が、別紙「肢体の障害関係の測定方法」による参考可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの

(ウ)筋力が著減又は消失しているもの

なお、認定に当たっては、一上肢のみに障害がある場合に比して日常生活における動作に制約が加わることから、その動作を考慮して総合的に認定されます。

「一上肢の機能に著しい障害を有するもの」

「一上肢の機能に著しい障害を有するもの」すなわち「一上肢の用を全く廃したもの」とは、一上肢の3大関節中いずれか2関節以上の関節が全く用を廃したもの、すなわち、次のいずれかに該当する程度のものをいいます。

(ア)不良肢位で強直しているもの

(イ)関節の他動可動域が、健側の他動可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの

(ウ)筋力が著減又は消失しているもの

「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」

「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」とは、両上肢の機能に相当程度の障害を残すもの(例えば、両上肢の3大関節中それぞれ1関節の他動可動域が、別紙「肢体の障害関係の測定方法」による参考可動域の2分の1以下に制限され、かつ、筋力が半減しているもの)をいう。なお、認定に当たっては、一上肢のみに障害がある場合に比して日常生活における動作に制約が加わることから、その動作を考慮して総合的に認定されます。

「関節の用を廃したもの」

「関節の用を廃したもの」とは、関節の他動可動域が健側の他動可動域の2分の1以下に制限されたもの又はこれと同程度の障害を残すもの(例えば、常時(起床より就寝まで)固定装具を必要とする程度の動揺関節)をいいます。

「関節に著しい機能障害を残すもの」

「関節に著しい機能障害を残すもの」とは、関節の他動可動域が健側の他動可動域の3分の2以下に制限されたもの又はこれと同程度の障害を残すもの (例えば、常時ではないが、固定装具を必要とする程度の動揺関節、習慣性脱臼)をいいます。
(注) 関節に著しい機能障害がない場合であっても、関節に機能障害を残すもの(「関節の他動可動城が健側の他動可動城の5分の4以下に制限されたもの」 又は 「これと同程度の障害を残すもの (例えば、固定装具を必要としない程度の動揺関節、習慣性脱臼)」をいう。)に該当する場合は、第2章「併合等認定基準(併合判定参考表の 12号)」にも留意することとされています。

「上肢の指の機能に著しい障害を有するもの」

 「上肢の指の機能に著しい障害を有するもの」すなわち「上肢の指の用を全く廃したもの」とは、指の著しい変形、麻痺による高度の脱力、関節の不良肢位強直、瘢痕による指の埋没又は不良肢位拘縮等により、指があってもそれがないのとほとんど同程度の機能障害があるものをいいます。

「両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有するもの」

「両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有するもの」すなわち「両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の用を全く廃したもの」とは、両上肢のおや指の用を全く廃した程度の障害があり、それに加えて、 両上肢のひとさし指又は中指の用を全く廃した程度の障害があり、そのため両手とも指間に物をはさむことはできても、一指を他指に対立させて物をつまむことができない程度の障害をいいます。

「指の用を廃したもの」

「指の用を廃したもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。

(ア)指の末節骨の長さの2分の1以上を欠くもの

(イ)中手指節関節(MP)又は近位指節間関節(P I P)(おや指にあっては、指節間関節(I P))に著しい運動障害(他動可動城が健側の他動可動域の2分の1以下に制限されたもの)を残すもの

「身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」

「身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」とは、一上肢の機能に相当程度の障害を残すもの(例えば、一上肢の3大関節中1関節が不良肢位で強直しているもの)又は両上肢に機能障害を残すもの(例えば、両上肢の3大関節中それぞれ1関節の筋力が半減しているもの)をいいます。
なお、両上肢に障害がある場合の認定に当たっては、一上肢のみに障害がある場合に比して日常生活における動作に制約が加わることから、その動作を考慮して総合的に認定されます。

人工骨頭又は人工関節の取り扱い

人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものについては、次により取り扱われます。

(ア) 一上肢の3大関節中1関節以上に人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものや両上肢の3大関節中1関節以上にそれぞれ人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものは3級と認定されます。
ただし、そう入置換してもなお、一上肢については「一上肢の用を全く廃したもの」程度以上に該当するとき、両上肢については「両上肢の機能に相当程度の障害を残すもの」程度以上に該当するときは、さらに上位等級に認定されます。

(イ)障害の程度を認定する時期は、人工骨頭又は人工関節をそう入置換した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く。)とされています。

「身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」

「身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」とは、一上肢に機能障害を残すもの(例えば、一上肢の3大関節中1関節の筋力が半減しているもの)をいいます。

前腕の他動可動域が健側の他動可動域の4分の1以下に制限されたもの

前腕の他動可動域が健側の他動可動域の4分の1以下に制限されたものは、上記「身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」と同程度の障害を残すもの(第2章「併合等認定基準(併合判定参考表の10号)」)とすることとされています。

日常生活動作

日常生活における動作は、おおむね次のとおりです。

(ア)さじで食事をする

(イ)顔を洗う(顔に手のひらをつける)

(ウ)用便の処置をする (ズボンの前のところに手をやる)

(エ)用便の処置をする(尻のところに手をやる)

(オ)上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)

(カ)上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)

欠損障害

「上肢の指を欠くもの」

「上肢の指を欠くもの」とは、基節骨の基部から欠き、その有効長が0のものをいいます。
「両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠くもの」とは、必ず両上肢のおや指を基部から欠き、それに加えて、両上肢のひとさし指又は中指を基部から欠くものであるとされています。

「指を失ったもの」

「指を失ったもの」とは、おや指については指節間関節(I P)、その他の指については近位指節間関節(P I P)以上で欠くものをいいます。
なお、いずれも切断又は離断による障害の程度を認定する時期は、原則として、切断又は離断をした日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く。)とします。
ただし、障害手当金を支給すべきときは、創面が治ゆした日とします。

変形障害

「長管状骨に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの」

「長管状骨に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。(偽関節は、骨幹部又は骨幹端部に限ります。)

(ア)上腕骨に偽関節を残し、運動機能に著しい障書を残すもの

(イ)橈骨及び尺骨の両方に偽関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの

なお、 いずれも運動機能に著しい障害はないが、上腕骨、橈骨又は尺骨に偽関節を残すもの(「一上肢に偽関節を残すもの」という。)は、障害手当金(第2章 「併合等認定基準(併合判定参考表の8号)」 )に相当するものとして認定されます。

「長管状骨に著しい転位変形を残すもの」

長管状骨に著しい転位変形を残すもの」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。

(ア)上腕骨に変形を残すもの

(イ)橈骨又は尺骨に変形を残すもの

ただし、 変形とは外部から観察できる程度 (15度以上わん曲して不正ゆ合したもの) 以上のものをいい、長管状骨の骨折部が良方向に短縮なくゆ着している場合は、たとえその部位に肥厚が生じたとしても、長管状骨の変形としては取り扱われません。

 関節可動域の測定方法、関節の運動及び関節可動域等の評価

測定方法については、別紙「肢体の障害関係の測定方法」によるとされています。

関節の運動に関する評価

関節の運動に関する評価については、各関節の主要な運動を重視し、他の運動については参考とします。

なお、各関節の主要な運動は次のとおりです。

部位主要な運動
肩関節屈曲・外転
肘関節屈曲・伸展
手関節背屈・掌屈
前腕回内・回外
手指屈曲・伸展

関節可動域の評価

関節可動域の評価は、原則として、健側の関節可動域と比較して患側の障害の程度を評価します。
ただし、両側に障害を有する場合にあっては、別紙「肢体の障害関係の測定方法」による参考可動域を参考とします。

各関節の評価

各関節の評価に当たっては、単に関節可動域のみでなく、次の諸点を考慮した上で評価します。

(ア)筋力
(イ)巧緻性
(ウ)速さ
(エ)耐久性

なお、他動可動域による評価が適切ではないもの(例えば、末梢神経損傷を原因として関節を可動させる筋が弛緩性の麻痺となっているもの)については、上記諸点を考慮し、日常生活における動作の状態から上肢の障害を総合的に認定します。

上肢障害 障害年金申請成功事例

以下、藤井法務事務所で申請した事例を紹介します。

障害基礎年金2級 右上肢弛緩性麻痺 労災

手続を代行した結果・概要
  • 疾患名:右上肢弛緩性麻痺
  • 性別・年齢:男性 40歳
  • 住所地:北海道
  • 障害の状態:肩、肘、手 関節運動筋力消失
  • 決定等級:障害基礎年金2級
右上肢弛緩性麻痺の発症から障害年金申請までの経緯

23年前に仕事中にバイクで転倒し、右上肢に重い負傷をした。
負傷後、2年間、治療を継続していたが、症状固定となり治療は終了となる。
その後、長い年月を経過したのち、障害年金の存在を知り、年金請求をお考えになり、当方へご相談に来られ手続きを受託した。

請求手続き・学んだこと

20歳前障害による障害基礎年金の請求事例です。
負傷により病院に搬送された日が23年前であり、当時の初診日病院にはカルテがなく、受診状況等証明書は取得できませんでした。
しかし、仕事中の事故であり、当時労災保険を使ったとの内容をお聞きしましたので、文書開示請求を行い、当時の労災診断書を入手し、初診日を特定しました。
その後、現在の右上肢の状況について診断書を医師に記載していただき、病歴・就労状況等申立書を作成し、その他の添付書類も用意して請求しました。

その他の上肢障害申請事例

右腕神経叢麻痺 障害年金申請事例

上肢の障害の障害年金申請のポイント

上肢の障害年金の申請で注意すべきところは、障害の根本が、関節そのものなのか、神経によるものなのか、筋肉によるものなのかあるいはそれ以外なのかによって申請する方の状態を反映した決定が出ない場合があります。

原因としては、病名のみで軽い決定を出していることや診断書の記載や病歴就労状況等申立書に問題がある場合があります。

もし、納得のいかない決定が出ている方については、障害年金の専門家に相談してみるとよいと思います。

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社会保険労務士 藤井啓道

藤井啓道(ふじい ひろみち)
社会保険労務士。行政書士。1964年生まれ。

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