知的障害の障害年金と認定基準

知的障害は、障害年金を申請できます。

こどもの頃から知的障害があることを医師からいわれている方は20歳になったら申請できます。

 

以下、藤井法務事務所で申請した事例をご紹介します。

 

知的障害 障害年金申請成功事例

 

手続を代行した結果・概要

 
  • 疾患名:ダンディウォーカー症候群
  • 性別・年齢:男性20歳
  • 住所地:北海道
  • 障害の状態:知能障害【知的障害(中等度)、学習の困難(読み、書き、計算)、注意障害】、発達障害【相互的な社会関係の質的障害、言語コミュニケーションの障害】、抑うつ状態【思考・運動制止、刺激性・興奮】、精神運動興奮状態及び昏迷の状態【滅裂思考、衝動行為】
  • 決定等級障害基礎年金2級
 
発症から障害年金申請までの経緯
出生時には特に異常は言われなかったが、6カ月検診で頭の形の変形を指摘された。

その後、成長に伴い運動能力が低いことなど同年代の子供より発育が遅れていることから脳神経外科を受診した。詳しい検査の結果、ダンディウォーカー症候群と診断された。
先天性の小脳の奇形であり、治療がないとのことで受診は1回で終了した。その後、他の病院も受診したが、結果は同じであった。

以後、7歳に手術を検討するために受診するまで病院にかかることはなかった。手術については、得られるメリットより手術によるリスクが高く受けないこととした。

幼少期から言葉が出てこないことから意思の疎通ができず、小学校では、読み書き、体育が苦手で全くついていけなかった。
中学校も同様であり、その後、高等養護学校に進んだ。

現在、障害者授産施設で就労しているが、コミュニケーションは取れない。
ときに暴力的になり抑制がきかない。日常生活は家族の手助けがあり何とかできている。IQ39。

請求人様の20歳の誕生日を経過したのち、ご家族から、障害年金のご相談を受け手続きを代行した。

 
請求手続き・学んだこと
この事例は、知的障害であり初診日は出生時となります。

初診日に関する医証はカルテがなくとれず、第三者証明を準備しました。

また、治療を継続して受けているわけではないので、診断書の作成のために受診し、医師の診察を受けていただきました。

病歴就労状況申立書を出生から請求時点まで丁寧に作成し、20歳を障害認定日とした申請手続きを完了しました。

結果、20歳前障害による障害基礎年金2級と決定されました。

 

知的障害の認定基準は?

「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 平成28年6月1日改正」を参考に認定基準のポイントを確認します。

知的障害の認定基準

知的障害とは?

知的障害とは、知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に持続的な支障が生じているため、何らかの特別な援助を必要とする状態にあるものをいいます。
障害の程度 障害の状態
1級知的障害があり、食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの
2級知的障害があり、食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なもものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの
3級知的障害があり、労働が著しい制限を受けるもの
 

知的障害の認定

知的障害の認定に当たっては、知能指数のみに着眼することなく、日常生活のさまざまな場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断する必要があるとされています。
また、知的障害とその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定されます。

 

知的障害の程度と知能指数の目安


IQ精神年齢
最重度20以下3歳未満問いかけの言葉が理解できない程度。動くことに制限。失禁。常に援助が必要。
重度21~353歳未満基本的な欲求を伝えられる言語機能あり。持続的な介護が必要。
中程度36~505歳~8歳身のまわりのこと、運動能力が遅れる。基本的な技能を得るため訓練が必要。
軽度51~707歳~10歳食事、洗面、着衣など身のまわりのことはできる。中学レベルの勉強に支障がある。自立は可能。
 

日常生活能力等の判定

日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能及び精神的機能を考慮のうえ、社会的な適応性の程度によって判断するよう努めるとされています。

 

就労していることの評価

勤労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事しています。
したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、従事している期間、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意志疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断することされています。

 

 

等級判定のガイドラインについて

知的障害に係るガイドライン

障害基礎年金の認定について地域によって格差が生じていたことから、障害等級判定ガイドラインが作成され、平成28年9月1日以降の等級判定の審査に適用されています。

 

障害等級の目安

54321
3.5以上1級1級又は2級
3.0以上3.5未満1級又は2級2級2級
2.5以上3.0未満2級2級又は3級
2.0以上2.5未満2級2級又は3級3級又は3級非該当
1.5以上2.0未満3級又は3級非該当
1.5未満3級非該当3級非該当
*横軸

「程度」→診断書の記載項目である「日常生活能力の程度」の5段階評価を指します。

*縦軸

「判定平均」→診断書の記載項目である「日常生活能力の判定」の4段階評価について程度の軽い方から1~4の数値に置き換え、その平均を算出したものです。

*この障害の目安は、障害の程度の認定における参考とされますが、目安だけでは捉えきれない障害ごとの特性に応じて、考慮すべき内容を診断書等から審査して、最終的な等級判定が行われることととされています。

 

知的障害による年金申請のポイント

ご家族の協力が重要

知的障害の方が自分で手続きを進めることは大変厳しいと思います。大抵の場合、ご両親などご家族が主導して動く必要があります。

 

病歴就労状況申立書は丁寧に

知的障害の場合は0歳から請求日までの内容を記載しなければいけません。結構な分量になりますが、大切な書類ですから、できるだけ詳しく書いてください。

知的障害とあわせて他の病気も発症していることがあり、病歴就労状況等証明書の対応の仕方を迷う場合があります。

このような場合は、障害年金の申請に詳しい社会保険労務士に相談した方がよいでしょう。

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※障害年金の手続きが遅れることで、受給できるはずのものが受給できないことがあります。  障害年金の請求を思い立ちましたら、まずは、藤井法務事務所 障害年金研究室 にお気軽にご連絡ください。
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