もくじ

手続を代行した結果・概要

  • 疾患名:自閉スペクトラム症
  • 性別・年齢:女性 47歳
  • 住所地:兵庫県西宮市
  • 障害の状態:相互的な社会関係の質的障害、言語コミュニケーションの障害、限定した常同的で反復的な関心と行動等
  • 決定等級:却下(不支給)→障害基礎年金2級

自閉スペクトラム症の発症から障害年金申請までの経緯

幼少時は、他の子供に比べて、言葉を覚えるのが遅く、発語も遅かった。また、同年代の友達とも上手く遊べず、一人遊びをしていることが多かった。好き嫌いも非常に激しく、好きなことややりたいことについては、衝動的に行動してしまうことが多く、周りの大人は目が離せない常況であった。しかし、乳児健診等において、特に発達についての指摘を受けることが無かったため、医療機関は受診していなかった。学生時代も人とのコミュニケーションが上手く取れず、いじめに遭ったり、自分を責めたりして悩んでいたが、医療機関は受診していなかった。大学卒業後、なんとなく就職したが、自分のコミュニケーション能力の低さや理解力の低さを痛感し、すぐに退職してしまった。

22歳頃、不安が強まり、近所の心療内科を受診したところ「不安性障害」と言われただけで、特に発達の問題については何も指摘されなかった。同クリニックは、数回受診しただけで、終診した。人と接することが苦手であったため、事務職を中心に転職を繰り返したが、ケアレスミスが多いこと、作業スピードが著しく遅いことが原因で、どれも長続きしなかった。結婚後も、家事が思うように出来ず、夫から指摘を受けることもあった。就職のため、職業訓練を受けたこともあったが、不器用なこともあり、なかなか身につかず、ハローワークの窓口で職歴等を話し、相談をしたところ、一度、医療機関を受診してみてはどうか、と精神科を紹介してくれた。

43歳時、ハローワークに勧められたクリニックを受診し、検査を受けたところ、広汎性発達障害であることが判明し、療育手帳を取得した。3年後、なかなか就職できないことから、気分の落ち込みも強くなってきたため、再度、同クリニックを受診し、障害年金申請用の診断書を作成してもらい、平成28年5月に、本人申請で障害年金の申請を行ったが、却下され、当事務所へご相談をいただいた。


請求手続き・学んだこと

請求人様ご自身で、一度裁定請求されましたが、不支給決定され、審査請求を行ったものの却下されて、当事務所にご相談いただいた事例です。自閉症スペクトラム症ということでしたが、請求人様の通院歴をできるだけ詳細に伺い、また、これまでの症状や生きづらさなども可能な限り聞き取りをして、病歴・就労状況等申立書の作成と受診状況等証明書、診断書の入手を並行して進めました。

裁定請求を行ったところ、無事、障害基礎年金2級と決定され、請求人様に大変喜んでいただきました。