網膜色素変性症や緑内障など眼の病気の認定基準

網膜色素変性症や緑内障は、障害年金を申請できます。

障害年金の対象となる眼の病気は、網膜色素変性症、網膜色素線条、緑内障、糖尿病性網膜症、外傷によるものなどがあります。

これらは、視力障害や視野障害を引き起こす障害認定の対象になる代表的な疾病です。

眼のご病気のうち、私どもで特に取扱いの多い事例は、網膜色素変性症による障害年金の申請です。

以下、これまで藤井法務事務所が申請を代行した成功事例と認定基準をご紹介します。

 

網膜色素変性症 障害年金申請成功事例

 

障害厚生年金1級 32年前の初診日 カルテなし

・疾患名:網膜色素変性症
・性別・年齢:男性55歳
・住所地:北海道
・障害の状態:視力低下、視野欠損
・決定等級:障害厚生年金1級
網膜色素変性症の発症から年金申請までの経緯
32年前(23歳)、歩行中に物にぶつかることが多くなり眼科初診。網膜色素変性症と診断される。

定期的に受診し、ビタミン剤点眼、内服治療を受けていたが、転居により治療を中断した。

数年後、目に違和感が継続していたことから眼科を受診した。

視野欠損により、身体障害者手帳の交付を受けた。以来、眼科通院を継続しながら就労していたが、通勤を一人で行うことが困難となり退職した。

外出時は、家族の肩に手をかけて歩く状態である。

 
申請手続きの感想・学んだこと
32年前にかかった初診の眼科にはカルテがなく、受診状況等証明書を取得することができず、転居後に最初にかかった眼科で受診状況証明書を取得しました。

請求人様は、現在受診している眼科には15年前から通院されています。

この病院に、初診の際の問診で網膜色素変性症で眼科を初めて受診した日として請求人様が申出をした日の記録がありました。

結果的に、これが決め手となり障害年金の受給に結びつきました。

決定までは大変時間がかかった事例でした。

 

障害厚生年金1級 11年前の初診 カルテなし

 
  • 疾患名:網膜色素変性症
  • 性別・年齢:男性51歳
  • 住所地:北海道
  • 障害の状態:視力両眼とも0.01矯正不能、視野欠損
  • 決定等級:障害厚生年金1級
 
網膜色素変性症の発症から年金申請までの経緯
11年前(40歳)より急激に視力が悪くなり眼科初診。

大病院を紹介され受診し、網膜色素変性症と診断された。

以来、経過観察のため定期的に受診しているが、視力の低下が著しく両眼とも0.01で矯正が不能となった。

 
申請手続きの感想・学んだこと
この事例も、初診から年金申請までの期間が11年と長く、初診の眼科ではすでにカルテがありませんでした。

しかし、2軒目の病院に初診の眼科からの紹介状があり、初診が特定できました。

診断書は、現在通院している主治医に作成していただき、医証の入手が完了しました。

医証のほか病歴就労状況申立書等の書類を準備して裁定請求したところ、1級と決定されました。

 

上記以外の網膜色素変性症の事例

当事務所が行った網膜色素変性症の上記以外の事例の一部です。

網膜色素変性症 障害年金申請成功事例③

網膜色素変性症 障害年金申請成功事例④

網膜色素変性症 障害年金申請成功事例⑤

 

網膜色素線条 障害年金申請成功事例

 

障害厚生年金2級 事後重症決定

 
  • 疾患名:網膜色素線条
  • 性別・年齢:女性48歳
  • 住所地:北海道
  • 障害の状態:視力低下、視野欠損
  • 決定等級:障害厚生年金2級
 
網膜色素線条の発症から年金申請までの経緯
9年前に眼の痛みや違和感があり眼科を受診。

検査の結果網膜色素線条と診断され、「よい治療法がなく、経過観察しかない」といわれ、年に一度程度の受診を続けた。

5年前から、文字が見えにくくなり、また、めまいを起こすようになった。

良い治療を求めて、大学病院等いろいろな病院を受診し、入院して治療を受けることもあったが改善せず、その後は病院を固定して経過観察している。

 
申請手続きの感想・学んだこと
請求人様は、治療歴が長いものの、初診でかかった病院での受診期間が長く、カルテが保存されていました。

したがって、医証の取得は、問題なく完了しました。

病歴就労状況等証明書には、請求人様の日常生活の不便を具体的に記載しました。

 

 

眼の障害年金申請の問題点

眼の障害は、年金申請時点において受診歴が長いことが多い!

初診日が古く、受診状況等証明書が取得できないケースが大変多いです。

 

眼の障害認定基準は?

眼の障害のうち、視力障害や視野障害については検査数値で障害等級が明確に区分されています。
したがって、ご自分の眼の状態を知っている場合は、おおよそどの等級に該当するか推測できます。

「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 平成29年9月1日改正」を参考に認定基準のポイントを確認します。

認定基準

 令別表障害の程度障害の状態
国年令別表1級両眼の視力の和0.04以下のもの
2級両眼の視力の和0.05以上0.08以下のもの
身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活に著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
厚年令別表第13級両眼の視力0.1以下に減じたもの
別表第2障害手当金両眼の視力が0.6以下に減じたもの
一眼の視力が0.1以下に減じたもの
両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
両眼による視野が2分の1以上欠損したもの又は両眼の視野が10度以内のもの
両眼の調節機能及び輻輳機能*に著しい障害を残すもの
身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
 

用語の説明

*輻輳機能(ふくそうきのう)
輻輳機能とは、両眼の視線を合わせて物を一つに見る機能で、近くを見るときに眼球を動かす筋肉を内側に寄せて焦点を合わせる機能をいいます。
この筋肉に障害がある場合、輻輳機能障害が現れます。

 

認定要領

眼の障害は、視力障害視野障害又はその他の障害に区分する。

 
(1)視力障害

視力の測定

視力の測定は、万国式試視力表又はそれと同一原理によって作成された試視力表によります。

 

試視力表の標準照度

試視力表の標準照度は、200ルクスとされています。

 

矯正視力による認定

屈折異常のあるものについては、矯正視力により認定されます
矯正視力とは、眼科的に最も適正な常用し得る矯正眼鏡又はコンタクトレンズによって得られた視力をいいます。
なお、眼内レンズを挿入したものについては、挿入後の矯正視力により認定します。

 

両眼の視力と両眼の視力の和

両眼の視力とは、それぞれの視力を別々に測定した数値であり、両眼の視力の和とはそれぞれの測定値を合算したものをいいます。

 

屈折異常の場合でも裸眼視力で認定する場合

屈折異常のあるものであっても次のいずれかに該当するものは、裸眼視力により認定されます。

(ア)矯正が不能なもの

(イ)矯正により不等像視を生じ、両眼視が困難となることが医学的に認められるもの

(ウ)矯正に耐えられないもの

 

視力が0.01に満たないものの取り扱い

視力が0.01に満たないもののうち、明暗弁のもの又は手動弁のものは視力0として計算し、指数弁のものは0.01として計算します。

 

 
(2)視野障害

視野の測定

視野の測定は、ゴールドマン視野計及び自動視野計又はこれに準ずるものによります。

 

ゴールドマン視野計による場合の指標

ゴールドマン視野計による場合、中心視野についてはⅠ/2の指標を用い、周辺視野についてはⅠ/4の指標を用います。なお、それ以外の測定方法による場合は、これに相当する指標を用いることとされています。

 

身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの

身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」とは求心性視野狭窄又は輪状暗点があるものについて、次のいずれかに該当するものをいいます。

(ア)Ⅰ/2の指標で両眼の視野がそれぞれ5度以内におさまるもの

(イ)両眼の視野がそれぞれⅠ/4の指標中心10度以内におさまるもので、かつ、Ⅰ/2の指標中心10度以内の8方向の残存視野の角度の合計56度以下のもの
 
この場合、左右別々に8方向の視野の角度を求め、いすれか大きい方の合計が56度以下のものとします。
 
なお、ゴールドマン視野計のⅠ/4の指標での測定が不能の場合は、求心性視野狭窄の症状を有していれば、同等のものとして認定されます。
 
(注)求心性視野狭窄は、網膜色素変性症や緑内障等により周辺部分から欠損が始まり見えない部分が中心部に向かって進行するものです。

 

「両眼の視野が10度以内のもの」

「両眼の視野が10度以内のもの」とは、求心性視野狭窄又は輪状暗点があるものについて、両眼の視野がそれぞれⅠ/4の指標で中心の残存視野が10度以内におさまるものをいいます。
 
この場合、上記(イ)のⅠ/2の測定方法により、残存視野の角度の合計のうち、左右のいずれか大きい方の合計が57度以上のものを対象とします。

 

「両眼による視野が2分の1以上欠損したもの」

「両眼による視野が2分の1以上欠損したもの」とは、片眼ずつ測定し、それぞれの視野表を重ね合わせることで、測定した視野の面積が生理的限界の面積の2分の1以上欠損しているものをいいます。
 
この場合、両眼の高度の不規則性視野狭窄又は半盲性視野欠損等は該当するが、それぞれの視野が2分の1以上欠損していても両眼での視野が2分の1以上の欠損とならない交叉性半盲等では該当しない場合もあります。
また、中心暗点のみの場合は、原則視野障害として認定は行われませんが、状態を考慮して認定されます。
 
(注)不規則性視野狭窄は、網膜剥離、緑内障等により、視野が不規則に狭くなるものであり、半盲性視野欠損は、脳梗塞等による同名半盲で両眼の視野の左右のいずれか半分が欠損するものです。また、交叉性半盲は、下垂体腫瘍等による異名半盲で両眼の鼻側又は耳側半分の視野が欠損するものです。

 

 
(3)その他の障害

「まぶたに著しい欠損を残すもの」

「まぶたに著しい欠損を残すもの」とは、普通にまぶたを閉じた場合に角膜を完全に覆い得ない程度のものをいいます。

 

「調節機能及び輻輳機能に著しい障害を残すもの」

「調節機能及び輻輳機能に著しい障害を残すもの」とは、眼の調節機能及び輻輳機能の障害のため複視や眼精疲労による頭痛等が生じ、読書等が続けられない程度のものをいいます。

 

「身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」

「身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」とは次のいずれかに該当する程度のものをいいいます。

(ア)「まぶたの運動障害」のうち、眼瞼痙攣等で常時両眼のまぶたに著しい運動障害を残すことで作業等が続けられない程度のもの

(イ)「眼球の運動障害」のうち、麻痺性斜視で複視が強固のため片眼に眼帯をしないと生活ができないため、労働が制限される程度のもの

(ウ)「瞳孔の障害」のうち、散瞳している状態で瞳孔の対光反射の著しい障害により羞明(まぶしさ)を訴え、労働に支障をきたす程度のもの

 

併合認定

視力障害、視野障害、まぶたの欠損障害、調節機能障害、輻輳機能障害、まぶたの運動障害、眼球の運動障害又は瞳孔の障害は併存する場合には、併合認定の取扱いが行われます。

 

 

眼の障害による障害年金の申請は単純なものは少ない!

眼の疾患は、治療歴の長い事例や先天的な疾病とされる場合が多くあります。

したがって、初診日が大幅にさかのぼってしまうこともあります。

初診日特定に手間取ることが多いので、可能であれば、専門家に相談して申請されるとよいと思います。

もしご自身で障害年金の手続きを進められるときは、慎重に進めてください。

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